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A Life With Adult ADHD

2014年にADHD持ちであることを確信し、2017年に自身のサイコパス属性に気が付いた一人会社IT社長のブログ

快適に人生をやり過ごすために。【皆さまのADHDブログ

深い海に向かってルアーを投げている。

自分がどこにいるかは分からない(無人島?浜辺?防波堤?)。でもとにかく、僕は広大な海を前にしている。深く、そして広い。無限の水平線がその広さを、海の色がその深さを物語っている。

空は晴れてもいないし、曇ってもいない。日差しがないのだ。風も吹いていない。快適でもなければ、不快でもない。

僕は灰色と青色の世界の真ん中で、目の前の深みにルアーを投げ入れ、竿を揺らしながらリールを巻き、ルアーを引きあげる。

そして再びルアーを投げる。アクションを加えながらルアーを巻き取り、再び投げる。

これをひたすら繰り返す。

数十回だか数百回ルアーを投げるうちに、徐々に「自分」という意識が消えていく。

「僕」に付随する属性も失われていく。

「何かを釣る」という目的もまた消えていく。

だいたい、こんな広くて深いんだから、魚が通りかかる確率なんて低いに違いない。仮に通りがかったとしても、ルアーなぞに見向きもしないだろう。魚だってバカじゃないのだ。

などと思いながら、腕が勝手にルアーを投げては巻き取っている。

「思っている」のも「巻き取っている」のも「僕」ではない。だって「自分」という意識が消えているのだから。

ムダだと思いながら、ひたすら投げては巻き取っている。それは「僕」でも「自分」でもない、ただの一つの事実である。

主観も客観も責任も評価もない。ただのシンプルでダイナミックな事実である。

結局生命ってその程度のものなのだ。

異様に広大な宇宙の、極小点に過ぎないのだ。

僕は「僕」の喪失を楽しみながら、広大な海にルアーを投げ入れては巻き取る。それは救いの時間だと僕は気が付く。そして同時に理解する。この反復が永遠には続かないことを。次の瞬間には消え去っていくことを。

むしろ永遠に続かないからこそ、このような白日夢を見るのだということを。

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