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A Life With Adult ADHD

2014年にADHD持ちであることを確信し、2017年に自身のサイコパス属性に気が付いた一人会社IT社長のブログ

快適に人生をやり過ごすために。【皆さまのADHDブログ

「ノルウェイの森」ASD的解釈

読書

たぶん僕の心には固い殻のようなものがあって、そこをつき抜けて中に入ってくるものはとても限られているんだと思う、と僕は言った。(文庫上巻 p54)

学生時代何度も「ノルウェイの森」を読み返したのは、理想的なライフスタイルをそこに見出したからだ。

そして、この本が提示したライフスタイルは、実は極めてASD的なものだったのだ、と今になって思う。

理想的なASD的ライフスタイルとは何か。

それは「適度な孤独」である。

基本的に他人と距離を置いている。でも、慕ってくれる友人がいる。

折に触れて他者から声を掛けられる程度の孤独。あまりの孤独にやりきれなくなったら一緒に出掛ける友達がいる程度の孤独。

ASD者は生まれながらにして孤独を生きている。一人でいても群れていても家族といても、どこか孤独なのがASD者である。おまけにADHDを持っていると「今ここ」に落ち着いていることができず、自分の居場所が無いように思えてしまう。

その九月の終りの気持ちの良い昼下り、人々はみんな幸せそうに見えたし、そのおかげで僕はいつになく淋しい想いをした。僕ひとりだけがその風景に馴染んでいないように思えたからだ。
でも考えてみればこの何年間かのあいだいったいどんな風景に馴染んできたというのだ?(文庫上巻 p148)

でも、適度な孤独であれば、好きな本や音楽、そして趣味で癒すことができる。

若い頃、そんなライフスタイルに憧れていたのだ。本や音楽、趣味で癒せる程度の孤独を生きることを。

しかし、物事はそんなに簡単には行かない。

適度な孤独にずっと留まっていることなど、不可能なのだ。

他人と関わって傷つき、家に引きこもって孤独に絶望する。その繰り返しがASD併発ADHDのリアルなライフスタイルなのである。

最後に「ワタナベ君」が「緑」に救いを求める場所、彼が辿り着いた孤独の果てを見て、ASD併発ADHD者としては自らの内面世界を想起してしまうのである。

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)