A Life With Adult ADHD

2014年にADHD持ちであることを確信し、2017年に自身のサイコパス属性に気が付いた一人会社IT社長のブログ

快適に人生をやり過ごすために。【皆さまのADHDブログ

音楽遍歴

ADHDの調子はすこぶる良い。

嫌なことフラッシュバック&自己嫌悪に繋がりがちな脳内花火が、仕事方面に向いている。仕事のアイデアがポクポク湧いてもほとんど害はない。

疲れ易いのは相変わらずだ。

でも、通常は自己嫌悪スパイラルと鬱を後押しする疲労が、眠気を誘っている。実に健全である。

睡眠の質は相変わらず良いとは言えない。でも、不眠とまでは行かない。

すなわち快調である。

今のプロジェクトの規模からすると、来年度も快調に進めそうだ。よしよし。

人間関係も良い。

仕事も力を発揮できている。尊重されている。敬意を持たれている。(機会を見て値上げ交渉をしようと思っている)

ありがたい話である。(にもかかわらず来年の春には鬱に陥るのだろうか??楽しみなところである)

というわけで、ADHD自分語りはネタ切れである。

.

前置きが長かった。

前回、フォーレドビュッシーマーラーについて書いた。

マーラーとかドビュッシーとか - 大人のADHD ブログ

今回は、クラシックのピアノ曲について書いてみよう。

人生で最初に買ったCDはこれだ。アシュケナージショパンのバラード。高校生の頃だ。

ショパン:バラード&スケルツォ

ショパン:バラード&スケルツォ

(中学生の頃、ジャズのLPレコード(死語だ)を何枚か買ってるが、それについてはまたの機会に)

多感な高校生時代に聴いたこの曲は、わたしにとってショパンのバラードのスタンダードとなった。

透明感のあるショパンである。

バラードの一番。最初の低いCのオクターブが響いた途端、北欧の白樺の林と青い空と湖の光景が浮かび上がる。中盤以降のダイナミックな展開は、ヨーロッパの古城と中世の戦乱を思い起こさせる。そして美しい悲劇を思わせるラストシーン。

二番、三番、四番のバラードが続く。どれもショパンの傑作だ。スケルツォもいい。いいアルバムである。北欧の空気と時間を感じさせてくれる。孤独に過ごす冬の、夜の7時。村上春樹の初期の長編小説を読みながら、ワインやウィスキーをちびちび飲みながら、聴きたいアルバムである。

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険 (下) (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

ノルウェイの森 文庫 全2巻 完結セット (講談社文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 上巻 (新潮文庫 む 5-4)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 下巻 (新潮文庫 む 5-5)

ってか、そうやって大学時代を過ごしてました。サーセン。当時はインターネットもなく、運と口コミで小説だの音楽だのを探していた。

まあ、それはさておき。

野暮を承知で、ちょっとキツイことを言うと、やや浅いショパンだと思う。

ポリーニの理知的な美しさも、アルヘリッチの情念もない。両ヴィルトゥオーゾと比べると深みがあるとはとても言えない。

にもかかわらず、何度も聴いたし、満足の行くショパンである。ポリーニ・アルヘリッチ・ホロヴィッツを除けば、アシュケナージを超える演奏はあまり聴かないように思う。

ショパンのスタンダードとして位置付ける演奏家としては悪くないと思うのだ。

他にアシュケナージショパンでいいのは前奏曲である。

ショパン:前奏曲(全曲)/即興曲(全曲)

ショパン:前奏曲(全曲)/即興曲(全曲)

十分に弾き込まれた前奏曲それぞれのさまざまな風景が、アシュケナージの透明感(いい意味で底の浅さ)とマッチしている。飽きないアルバムである。

.

ショパンで好きなのは、後期の作品だ。

舟歌

(残念ながら持っているCDはアマゾンの商品紹介になかった)

ルービンシュタインしか聴いたことがないが、この曲は何というか完成されすぎているというか、誰が弾いてもそんなに変わりはないんじゃないか、という気がする。

中村紘子が練馬のホールに来たときこれを弾いて、嬉しかったが、生で聴いてもそんなに感心しなかったのだ。

一応楽譜は持っている。一日10~20分練習の独学者には弾ききることは敵わない難曲だが、断片的に弾いても楽しく美しい名曲である。夜の10時。読書にも飽きて、いい感じで酩酊し、そろそろ寝ようか。という曲だ。

そして幻想ポロネーズショパンの最高傑作の一つ。

独習者には、手が出ないレベルの超難曲である。楽譜を読むことすら難しい。

これはもうホロヴィッツに尽きる。

ショパン・アルバム

ショパン・アルバム

ライブ盤の音源だ。割れんばかりの拍手が続く。むべなるかなである。

ライブとは思えない異常な集中力。哲学的(と言っても大げさでない)深み。ほとんど「トランス」しているのではないか、と思える別世界の響きだ。

ホロヴィッツはやはり凄い、と思わされる一枚。

.

次はベートーベンだ。

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番&第23番&第24番&第27番

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第22番&第23番&第24番&第27番

後期ピアノソナタ集はさすがのポリーニだ。

心地よいベートーベン!そういうのもあるのか!

ベートーベンのピアノソナタといえば悲愴月光テンペスト熱情ヴァルトシュタイン。

どれも鬱陶しい。むしろロッケンロールである。ロローバービートゥーヴァン♪である。騒がしいのである。

ところがポリーニのベートーベンは心地よい。熱情ですら心地よい。スピード感があって、かつ心地よい。理性的なベートーベンとは、どういうことなのか。

(恥ずかしながら)ベートーベンのピアノソナタは好きでいろいろ聴いたのだが、こればかりは奇跡の一枚だと思うのだ。

.

ブラームス

ブラームス:間奏曲集,バラード,ラプソディー

ブラームス:間奏曲集,バラード,ラプソディー

これはもうグールドですな。

最初の小節の響きが違う。重さが違う。

どういうシチュエーションで聴く音楽なのか。分からない。少なくとも、気楽には聴けないCDだと思う。

最後に聴いてから数か月たつが(何年かに一度、つい聴いてしまうのだ)、今でも脳内再生できる。

自作のポテトサラダと6Pチーズと缶ビールの6本パックを抱えて、ベランダで星を眺めながら酒を飲む。そんなシチュエーションにも似合うCDは、そんなにはない。

そんな重さにちょっと引いてしまうあなたにはアファナシエフ版。

ブラームス作品集

ブラームス作品集

ブラームスの美しさはそのまま、少しだけライトに仕上がっている解釈だ。いい線を行っているCDである。

〆はこちら。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)

グールドのゴールドベルク変奏曲

これはまあ凄いですな。

しばらく聴いてないけど、一曲目と二曲目は楽に脳内再生できます。

難を言えば、ドラマチック過ぎて睡眠導入的には使えない点だろうか。

片付け・掃除のBGMにも、孤独でやるせない夕方に聴いてもピタッとハマる傑作だと思うのである。

ただ、酒を飲みながら聴くアルバムではないかな。

そんなところですわ。楽しかった。

(番外編)

いくつか忘れていた。まずはボレットのリスト。

愛の夢~リスト:ピアノ名曲集

愛の夢~リスト:ピアノ名曲集

通俗的だが、これはリストリストしたリストだな、という気がする。リストのスタンダードであろう。

そしてブレンデルのリスト&展覧会の絵

ムソルグスキー;組曲「展覧会の絵」/リスト;祈りほか

ムソルグスキー;組曲「展覧会の絵」/リスト;祈りほか

恐ろしいほど完璧な展覧会の絵も素晴らしいが、後期のリストも素晴らしい。

ブレンデル展覧会の絵は、若きホロヴィッツのそれすら凌ぐと思うのである。若きホロヴィッツのはタガの外れた勢いだけだが、ブレンデルのは勢い+理性+荘重さがある。

そしてホルヘ・ボレットのリストが駄菓子の金平糖ならば、ブレンデルのリストは国産牛のローストビーフの味わいである。よく分からないが。

そんなところで。