A Life With Adult ADHD

2014年にADHD持ちであることを確信し、2017年に自身のサイコパス属性に気が付いた一人会社IT社長のブログ

快適に人生をやり過ごすために。【皆さまのADHDブログ

ささやかだけど大事なこと

夕方、行きつけの居酒屋に行った時のこと。

昼から義理実家で日本酒を飲んだのだが、やはり気のおけない店で締めたいと思ったのである。

旨い突き出しとマスターとの会話をアテにちびちび飲んでいると、かなりお年を召した方が来店された。

若かりし頃はダイハードで実直な企業戦士だったのではないかと推察される佇まいで、迫力のあるダミ声の持ち主であった。

その方が来店早々にトイレに外した時、マスターがわたしに「『何でもいいから辛口の酒』系のお客さんだね」と小声で話しかけ、ニヤリと笑った。

果たしてその通り。その方がメニューを眺めて発した第一声は「辛口の日本酒はどれかね」である。客商売をしていると、客層への勘が働くのだろう。

「この辺りはかなり辛口ですよ」とマスターが勧めたのを一口啜って「うん、旨い。でもまだ甘いな」

「それでも甘いですか!ではこの酒はどうですか?」とわたしも流れに便乗して流輝の超辛口をお勧め。それをきっかけに会話が始まった。

ご年齢はわたしの父より少し年下だそうだ。すなわち、わたしなぞ子供といっても全くおかしくはない飲み相手である。それでも、決して偉そうな態度にはならなかったところに好感を持った。

家族について聞かれ、上が来年中学、下が四年生です、と答える。

「わたしはね、娘を五歳で亡くしたんですよ」

ダミ声でスっと出て来た。酒の勢いもあったのだろう。

実家でかわいい甥っ子姪っ子と遊んできた後である。神妙に聞く他はない。

「妻も一度亡くしててね・・・。順番がおかしいんですよ」

当方もかなり飲んでいる。聞いていて涙腺が緩んでくる。

「もし、一度だけ願いがかなうんだったらね、僕は家族そろってご飯が食べたい。それだけでいいんですよ。もう一度だけでいいから」

涙腺崩壊である。酔っ払ってカウンターで涙をぼろぼろ流している。困ったものである。

その後、而今など奢ってもらい「またお会いしましょう」という流れとなった。

そういえば、バリバリのキャリアウーマンが飲みながら長男の子育てを語りながら泣きだした現場に遭遇したこともあったなと思いだす。酒飲みは面白いと思うのだ。